ゲーマーでありつつ、ITインフラエンジニアでもあるNAGATOMEです。
皆さん、LANケーブルにも様々な規格がある事をご存知でしたでしょうか。
おそらく多くの方が何気なく使っているかと思います。
実はあの何気ないLANケーブルにも色々な種類があったのです!
そんなLANケーブルくんですが、家庭用で最大限力を発揮できる規格(カテゴリ)は限られています。
どうせならFPSやTPSなど、オンラインゲームを快適にプレイしたいですよね?
それでは「【必見】快適にゲームをプレイするなら知っておきたいLANケーブルの選び方」を書いていきます。
そもそもLANケーブルとは
LANはLocal Area Networkの略で、ローカルなエリアのネットワーク、つまり企業内や家庭内など構内ネットワークを構成する機器同士を繋ぐためのケーブルになります。
本記事では深く専門的な内容には触れませんので、よく分からない人はインターネットに出るためのケーブルという認識でもOKです!
LANケーブルによって企業や家庭内のプリンタから印刷できたり(ネットワーク接続の場合)、またルーターを経由してインターネットに接続し、本サイトの様なウェブサイトを閲覧したりする事ができるようになります。
LANケーブルくんはまさに縁の下の力持ち的な存在なんですね!
因みに一般的なLANケーブルの切断面はこの様に、8芯のケーブルから構成されています。
外側の被覆を除去すると、内部は2本ずつペアになった線が計8本あるんですね。
少し細かい話ですが、8芯のケーブルはヨリ線、または単線となっています。
単線はノイズの影響を受けにくく長距離の伝送に向いていますがケーブルが硬く細かい配線の取り回しが困難です。
一方、ヨリ線は単線と比べノイズの影響は受けやすいですが曲げやすいので取り回しはしやすく、短距離かつノイズの少ない家庭環境には向いています。
因みに今回撮影用に犠牲になってもらったLANケーブルはヨリ線タイプ。
先の写真の被覆を更にはがすとその中に複数の銅線が通っています。
これがヨリ線となっているので、ヨリ線タイプなんて言われたりするんですよね。
通信速度と伝送帯域について
それでは早速おすすめのLANケーブルについて…
と行きたいところですが、その前に通信速度と伝送帯域について説明します。
LANケーブル選びの前提知識として知っておく必要があるので、もう少しだけ時間をください!
まず、通信速度についてですが皆さんもよく1Gbpsなんて言葉というか単位というか、聞いたことがあるかと思います。
フレッツ光やau光、NURO光など光回線事業者の謳い文句です。
NURO光は2Gbpsだったかな?
こちらがいわゆる通信速度と言われるもので、1Gbpsは1秒間に1Gbitのデータを転送できる事を表します。
単位がbitとなっているので気をつけて欲しいのですが、1バイト=8ビットなので、単位を皆さんのよく知っているバイトに直すと
1Gbit / 8 = 128Mバイトとなります。
補足ですが、本記事では1Gバイト1024Mバイトで計算しています。
情報分野では、2進数が用いられるので1Gバイト=1024Mバイト(2の10乗)となりますが、一般的にネットワークに関しては1Gバイト=1000Mバイトで計算されるので、その場合だと125Mバイト/秒の通信速度になります。
ただこれだと3Mバイトも差分が出てしまうので、通信速度を正確に表現する場合はMiB、GiBといった単位が使われます!
脱線してしまいましたが、「ふーん」くらいでさらっと流してください。
次に伝送帯域とは、伝送に使われる最大周波数と最低周波数の差の事です。
この差、あるいは幅とも言えるでしょうか…
これが広いほど単位時間あたりに伝達できる情報量が大きくなります。
字面だけでは分かりづらいですよね〜
それぞれ言葉だけではイメージしづらいと思うので、よく例えられる道路と車の交通状況で表現します。
速度制限を通信速度、車線を伝送帯域と見立ててください。
速度制限が速ければ速いほど、車の流れも速くなるように、通信速度が速いほどデータの流れが早くなります。
加えて、上図では車線が1つしかありませんが、車線が2車線、3車線とあれば車もスムーズに流れる事ができます。
つまり、伝送帯域(車線)が広ければ広いほど単位時間あたりに転送できるデータが増えます(車をデータと見立ててね)。
よって、通信速度が速く、伝送帯域が広いほど同じ時間でより多くのデータを送受信する事が可能なのです!
LANケーブルのカテゴリ
前述の話をふまえ、LANケーブルのカテゴリについて紹介します。
先にもお伝えした通り、LANケーブルにはカテゴリ、要は規格が存在します。
カテゴリによって性能が異なりますので、以下に一覧を記載します。
CAT5 | CAT5e | CAT6 | CAT6A | CAT7 | CAT7A | CAT8 | |
最大通信速度 | 100Mbps | 1Gbps | 1Gbps | 10Gbps | 10Gbps | 10Gbps | 40Gbps |
伝送帯域 | 100MHz | 100MHz | 250MHz | 500MHz | 600MHz | 1000MHz | 2000MHz |
シールド | UTP | UTP | UTP | UTP/STP | STP | STP | STP |
CAT=カテゴリと読むよ!
ピンと来た人も多いと思いますが、カテゴリの数字が大きくなる程性能が良いです。
因みに、カテゴリについてはパッケージに記載されているので、買う前に確認しましょう。
UTPとSTP
先の表のシールド欄にUTPやSTPという表記があります。
LANケーブルの断面の写真を見て頂けたかと思います。
UTPはUnshielded Twisted Pairの略で、冒頭の写真で見て頂いた通り8芯の線がシールドされていないケーブルになります。
一方STPはShielded Twisted Pairなので8芯がシールドされているケーブルになり、ノイズに強いです。
信号を正確に伝達するにあたってSTPが性能として良いですが、アース処理などしないとシールドがアンテナの様になって逆にノイズを拾ったりする事もある様です。
とはいえ、アースしてなくても家庭で使う分にはSTPでも殆どのケースで問題ないというおおよそ正確な情報もありました。
結局、STPはダメなの? UTPでいいの? LANケーブルの専門家に聞く
ただ、コストの面からSTPはUTPよりも高価になりますし、家庭用で使用するならUTPで全く問題ありません。
工場の様に様々な電子機器が動いてあるのであればSTPを使用するべきですが、一般家庭であればそこまでノイズを発生させるものがないからです。
LANケーブルの形状について
家電量販店やECサイトなんかでも、様々な形状のLANケーブルが揃えられています。
スタンダードやフラット、スリムなど選択肢に困る人もいるかもしれません。
ただ、形状によって速度が大きく変わるという事は無いので気にしなくて良いと思います。
フラットやスリムは細い分ノイズの影響を受けやすいと言う点はあります。
ただし、それも何十mも線を引いたり、ケーブルの近くに電子レンジなどノイズの原因となるものがない限り、一般家庭での利用においては問題となりません。
配線や見栄え、コストなどを考えて選ぶと良いかと思います。
結局選ぶならどんなLANケーブル?
結論、FPSやTPSをするのにおすすめするLANケーブルはCAT5e、CAT6、CAT6AのUTPケーブルです。
まず、CAT5以下のケーブルを利用している方はFPSやTPSを含めたオンラインゲームを快適にプレイするならケーブルの買い替えを積極的に検討してください。
今使っているケーブルがCAT5e、CAT6であれば、ダメになるまで使ってCAT6Aに買い替えても良いでしょう。
これからLANケーブルを買おうとしている人はCAT6Aで良いでしょうが、CAT5e、CAT6でも問題ありません。
理由は以下の通り。
- CAT6A STPケーブル以上の規格は一般家庭では不要
- インターネットより先がボトルネックになるため
STPについては前述した通りです。
インターネットより先がボトルネックになる事について、おそらくほとんどの家庭に引いてきている光回線(FTTH)は最大1Gbpsの契約をしているからです。
参考までに、以下のようなLANケーブルならオンラインゲームでも全然使えます。長さは適切なものを選んでネ!
NAGATOMEは最近、次のサンワサプライのフラットタイプ15mを購入しましたが、FPSなどのオンラインゲームに何ら支障はありません。
この最大1Gbpsという数値…
どれだけLAN環境(家庭内ネットワーク)の通信速度を早くしたとしても、インターネットより先は通信事業者の領域なので改善しようがありません。
また、インターネットを介した通信は1Gbpsなんて数値はでません。
有名な計測サイトのリンクも貼っておきますが、サイトの負荷や測り方によって全然違ってきますのでこれも正確とはいえません。
1Gbpsに遠く及ばない理由は次の通り。
インターネット回線の大元は回線事業者の収容局から電線を伝って家庭まで届いています。
収容局から出ている一本の線の通信速度が1Gbpsになります。
その一本の線は8分岐し、8世帯分のインターネット回線として使用されます。
つまり、元は1本の線を8分岐にしていて、8世帯で1Gbpsの帯域の奪い合いをしている事になります。
なので光回線事業者は最大1Gbpsの通信速度などと言っていますが、1Gbpsの1本の線を8世帯で分岐しているわけですから、実際にそんな数値はでません(1Gbpsの契約で1Gbps出てる!と言う人がいたら嘘です)。
因みに収容局から出ているケーブルが8分岐というのはその筋の人に聞きました!
ただ、インターネット上では最大32分岐という情報もあったので、正確な情報ではないかもしれません…そこは事業者によっても違ってくるのかも。
因みにそういう意味では、家庭内ネットワークでもお使いのルーターやHUBなどのネットワーク機器も1Gbpsや10Gbpsに対応していないと、LANだけが対応していても速度は出ません。
とは言え、昨今は1Gbpsで通信できる機器が殆どですし、10Gbpsで通信できる機器も普及が進みつつある様に思います。
将来性を考えるとCAT6Aの UTPのLANケーブルも視野に入れて良いと考えます。
因みに家電量販店で売られているような市販のCAT7は”相当品”で、IEEE(アイトリプルイー)で定義されているものとはコネクタの規格が異なるものが殆どです。
本来はARJ45/GG45/TERAといったコネクタになりますが、市販品はRJ45と本当のCAT7では無いものが出回っています。
まとめ
本記事は「【必見】快適にゲームをプレイするなら知っておきたいLANケーブルの選び方」について書きました。
- CAT5e、CAT6のケーブルを使っているならそのままで!
- 新規に買うならCAT6A UTPも可
- CAT6 STP以上のケーブルは不要
- ケーブルの形状はお好みで(こだわりが無ければスタンダード推奨)
回線が悪いと言ってもすでにCAT5e〜CAT6Aのケーブルをお使いの場合、他に原因があるかも知れません。
例えば、接続している機器(HUBやルーター、PCやゲーム機)が1Gbps(1000BASE-T)に対応していないという可能性もあります。
通信事業者やプロバイダで何か問題が起きているという可能性も否めません。
切り分けや原因の特定は難しいところだと思いますが、このように予備知識があれば回線速度の改善につながるかもしれませんね。
とはいえ、今回の記事ではネットワーク機器等には触れておらず申し訳ないですが…
以上、NAGATOMEでした!
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